2018年度(第12回)上級医療情報技師能力検定試験(一次試験)
試験結果の概要と講評
【試験の概要】
-
試験日時:2018年8月26日(日)
午前 (マーク方式) 10時30分~11時30分(60分)
午後Ⅰ (マーク方式・記述方式) 12時50分~14時20分(90分)
午後Ⅱ (小論文方式) 15時00分~16時30分(90分)
試験会場:札幌・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・岡山・広島・高松・福岡・沖縄
試験内容・時間割:筆記試験(マークシートによる多岐選択方式および記述方式)および小論文試験
申込者数:224名 受検者数:172名
問 題 数 :午前 マーク方式 50問(マーク数 50) 配点 116点
午後Ⅰ マーク方式 7問(マーク数 18) 42点
記述方式 7問(解答項目数 15) 54点
午後Ⅱ 小論文方式 1問(800字以上1,000字以内)
合否判定:午後Ⅱの答案は、午前、午後Ⅰ(マークシート試験、記述式試験)の判定基準を満たす
ものを採点対象とし、試験結果の判定に示す観点から評価判定を行う。午前、午後Ⅰ、
午後Ⅱの全ての試験の成績が、判定基準を上回ったものを一次試験の合格とする。
【試験結果の概要】
(括弧内は得点率)
〇午前・午後Ⅰ午前 | 午後Ⅰ | 計 | |
---|---|---|---|
受検者数 | 172 | 171 | 171 |
満点 | 116 | 96 | 212 |
最高点 | 96(82.8) | 79(82.3) | 169(79.7) |
最低点 | 37(31.0) | 19(19.8) | 60(28.3) |
中央値 | 66(56.9) | 43(44.8) | 110(51.9) |
平均値 | 67(57.8) | 44.2(46.0) | 110.9(52.3) |
標準偏差 | 10.3 | 11.8 | 19.6 |
午後Ⅱ | |
---|---|
受検者数 | 170 |
採点対象 | 65 |
【試験結果の判定】
◯午前(マーク式)・午後Ⅰ(マーク式+記述式)午前と午後Ⅰの得点が共に基準得点以上の得点を有することを判定基準として、判定基準を上回る者を午後Ⅱの採点対象としました。午前、午後Ⅰで判定基準に満たない場合は、午後Ⅱの採点は行っていません。
区分 | 受検者数 | 基準得点 | 得点率 | 基準得点以上の割合 |
---|---|---|---|---|
午前 | 172 | 64 点以上 | 55.0%以上 | 60.5% |
午後 | 171 | 44 点以上 | 45.0%以上 | 49.7% |
午後Ⅱの小論文試験は、提示された課題文を読んで、課題文で述べられている内容に対して自分の考えを記述する試験を行いました。小論文試験の採点は、下記の5つの観点から行いました。採点にあたっては、5名の採点者が読んで独立して評価し、合議のうえ最終的な評価を行いました。
-
①問題の指示に基づいて記述しているか。
②課題の全体像を正確にとらえているか。
③自身の見解が明確な論旨で述べられているか。
④わかりやすく、説得力のある記述になっているか。
⑤見解は上級医療情報技師として適切か。
午前、午後Ⅰ、午後Ⅱの全ての試験の成績が、判定基準を上回ったものを一次試験の合格とします。なお、午前、午後Ⅰの部分合格はありません。
受験者数:172名 合格者数:18名(合格率10.5%)
【試験の講評】
-
今回の一次試験の問題は、本年度からの上級医療情報技師能力検定試験制度改正に基づき、マークシート方式と記述方式の問題(午前・午後Ⅰ)ならびに小論文形式の問題(午後Ⅱ)によって構成しました。午前・午後Ⅰの問題は、医学・医療系、情報処理技術系、医療情報システム系の3系に限定せず、公表している「上級医療情報技師の一般目標及び行動目標群(GIO・SBOs)ver.1.1」(上級GIO)から万遍なく出題しました。
午前の問題では、医療情報技師能力検定試験と同程度の基礎的な知識を確認する問題を出題しました。また午後Ⅰの問題では、マーク式の問題だけでなく、長文を読解し記述する問題を出題し、単なる想起型問題よりは、解釈型や問題解決型を増やすように努めました。午後Ⅱの問題では、提示された課題文を読んで、課題文で述べられている内容の説明や、課題文に対する自分の考えを800文字以上、1,000文字以内で記述する試験を行いました。
特に午前の問題では、上級医療情報技師に必要な最近の動向に関する問題も出題しました。午後Ⅰの記述問題の「地域医療情報ネットワークの取り組み」に関する設問は、改正個人情報保護法について問うものとしました。本人同意の取得方法として、「オプトアウト」「黙示的同意」を解答例とし、この両者が読み取れるものを正解としました。また、「薬剤の選択誤り」に関する設問では、処方における名称類似薬の選択誤りを防止するためのシステム上の工夫を問いました。「薬剤名称に★等の記号を表示し注意喚起する」を解答例として、システムにより利用者への確認を促せる内容を記載していれば正解としました。いずれの問いも文字数の制限を設定しており、内容だけでなく指定の文字数でまとめられているかも採点の対象としました。上級医療情報技師は、日々の業務の中で、種々の課題から問題点を読み解く能力が必要となります。次年度以降も、このような問題を出題する予定です。
さらに、午後Ⅱの問題では、医療データの二次活用に関する課題文を読み、1)筆者の考えをまとめ、2)それを踏まえてデータを活用できる戦略的なシステム構築に関する自身の考えを述べるものでした。答案の作成にあたっては、課題の趣旨を正確にとらえて2つの課題に的確に答えること、また、自らの考えを論理的にまとめて記述することが必要です。そのため、2つの課題に答えていないもの、制限内の文字数で書かれていても課題には関係がない内容を記述したもの、あるいは関連が薄い内容を記述したものは低い評価としました。また、文字数が不足しているもの、誤字・脱字があるもの、そして読み手に対して丁寧に書かれていないものは減点の対象としました。
本年度は午前の平均得点率が57.8%、午後Ⅰの平均得点率が46.0%でした。そのため今年度の午前の合格ライン(得点率)は55.0%、午後Ⅰの合格ラインは45.0%として合否判定を行い65名の午後Ⅱの採点を行いました。その結果、今回の一次試験の合格者数は18名、合格率は10.5%となりました。
【試験の結果】
1週間以上経っても届かない場合には、事務局までお問い合わせください。
★ 一次試験合格者一覧 ★ | 【試験解答】 | 午前解答 |
---|---|---|
午後解答 |