2017年度(第11回)上級医療情報技師能力検定試験(一次試験)
試験結果の概要と講評

【試験の概要】

     試験日時:2017年8月20日(日)
          午前の部 10時30分~12時30分
          午後の部 14時~16時
     試験会場:札幌・仙台・新潟・東京・金沢・名古屋・大阪・岡山・広島・高松・福岡・鹿児島・沖縄
     試験内容:筆記試験(マーク方式および記述方式)
     申込者数:208名 受検者数:170名
     問 題 数 :午前(120分) マーク方式 60問(マーク数 87) 配点 200点
          午後(120分) マーク方式  8問(マーク数  16)     42点
                   記述方式  12問(解答項目数 30)    138点

【試験結果の概要】

(括弧内は得点率)

 午前午後午前・午後
受検者数170169170
満点200180380
最高点153(76.5)137(76.1)287(75.5)
最低点70(35.0)43(23.9)113(29.7)
中央値112(56.0)96(53.3)210(55.3)
平均値112.3(56.1)96.6(53.7)208.3(54.8)
標準偏差17.818.533.6

【試験結果の判定】

○ 判定基準 ○
区分基準得点率
合計228.0点以上60.0%以上
ただし、午前50.0%・午後40.0%以上の得点を有すること
上記のすべてを満たすものを合格とする。
合格者数:51名(合格率30.0%)

【試験の講評】

一般社団法人日本医療情報学会
医療情報技師育成部会


 今回の一次試験の問題は、これまでと同様に、マークシート方式と記述方式の問題によって構成しました。問題は、医学・医療系、情報処理技術系、医療情報システム系の3系に限定せず、公表している重点領域から万遍なく出題しました。また昨年同様、午後のマーク式の問題の数を少なくし、長文を読解し記述する問題を出題しました。このように、問題の内容は、単なる想起型問題よりは、解釈型や問題解決型を増やすように努めました。
 午後の記述問題について、「患者情報連携の不備による画像レポートの誤印刷」に関する設問は、この事例の発生原因とその対処のための改善策を問うものでした。原因は「それぞれのシステムで異なる患者が選択されている状態だったため」を解答例として、システムが連携していないなどその状態をとらえていれば正解としました。また、その対処のための仕様では、「部門システムと電子カルテの患者選択を連動させる」を正解例として、現実的にシステムでの対応が可能な方策であれば正解としました。
 次に、「生体認証」に関する設問は、生体認証の種類や指紋認証の課題を問うものでした。写真撮影時のピースサイン問題は、「指紋が偽造される」を解答例として、写真による指紋情報の取得に関する記述があれば正解としました。指紋認証に関するその他の問題として、「手袋を使用していると利用できない」を解答例として、指紋の欠損、指紋登録作業の負担、装置導入の費用負担などの内容であれば正解としました。
 さらに、「利用者アカウントの管理」に関する設問では、認証の必要性については「不正アクセスの防止」、「診療情報の真正性の確保」を正解例として、認証、認可などに関する記述があれば正解としました。「医療情報部でパスワードを調べて伝える」ことの問題点として、「第三者がパスワードを知ることができる」を正解例として、パスワードの漏洩・流出に関する記述があれば正解としました。この運用への適切な対応としては、「パスワードを初期化し、利用者に速やかに再設定してもらう」を正解例として、「他人の眼に触れずパスワードを自動表示するシステムの導入」なども正解としました。
 いずれの問いも文字数の制限を設定しており、内容だけでなく指定の文字数でまとめられているかも採点の対象としました。上級医療情報技師は、日々の業務の中で、種々の課題から問題点を読み解く能力が必要となります。次年度から試験制度を一部変更しますが、新たな試験制度でもこのような問題を出題する予定です。
 今年度の一次試験の合格ライン(得点率)は、合計点で60.0%以上、かつ、午前の得点率50.0%以上、午後の得点率40.0%以上として合否判定を行いました。その結果、今回の一次試験の合格者数は51名、合格率は30.0%となりました。


【試験の結果】

第11回一次試験合否判定結果通知は2017年10月11日(水)に発送しました。
1週間以上経っても届かない場合には、事務局までお問い合わせください。

一次試験合格者一覧 
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【試験解答】 午前解答
午後解答