医療情報技師とは

2023年2月吉日
一般社団法人日本医療情報学会
医療情報技師育成部会

1. はじめに

 日本医療情報学会では、医療情報に関する専門職として「医療情報技師」の育成を行っています。医療情報技師は、診療現場での業務を理解して、 1)情報処理技術の業務改善への活用を担える、 2)医療情報の安全で適切な管理を担える、 3)診療データの利活用を担える人材です。 また、医療情報技師が医療現場で活躍するために必要な資質として、他職種との意思疎通をはかるコミュニケーション力(Communication)、他職種と協力して対応できる力(Collaboration)および部門間や職種間の調整をできる力(Coordination)を掲げています(医療情報技師の3C)。
 一般社団法人日本医療情報学会 医療情報技師育成部会では、医療情報技師に求められる能力を有する方を認定するため、2003年から「医療情報技師能力検定試験」を行っています。

2. 医療情報技師の定義

 医療情報技師は「保健医療福祉の質と安全の向上のために、医療の特質をふまえ、最適な情報処理技術を用い、医療情報を安全かつ適切に管理・活用・提供することができる保健医療福祉分野の専門職」です。

3. 医療情報技師に求められる能力

 医療情報技師として求められる能力は、分かりやすく、また学びやすいように「医学・医療」、「情報処理技術」および「医療情報システム」の3領域の知識と技術で体系づけています。

【医学・医療系】
 保健医療福祉の現場で他職種と意思疎通をはかるためには、医学に関する一般的な知識、保健医療福祉制度、医療プロセスおよび医療記録などに関する基本的な知識を有していることが求められます。
【情報処理技術系】
 保健医療福祉の現場で日常的な情報システムに関する実務を担当するためには、基本的な情報処理技術や情報セキュリティに関する知識と技術を備えていることが求められます。
【医療情報システム系】
 保健医療福祉の現場で稼働するIT基盤整備とデータ利活用を担うためには、医療情報の特性や医療情報分野の関連法令、標準規格を理解し、医療情報システムに関する実務的な基礎知識と技術を身につけて適切な対応ができることが求められます。


「医療情報技師能力検定試験のご案内」

 医療情報技師育成部会では、医療情報技師の定義ならびに医療情報技師の到達目標(GIO・SBOs)に掲げる能力を有する方を認定するため、医療情報技師能力検定試験を実施しています。

受検資格
 特に受検のための資格は問いません。
試験実施時期・試験会場
 毎年8月下旬(年1回)
 全国13会場(北海道 宮城県 東京都 新潟県 石川県 愛知県 大阪府 岡山県 広島県 香川県 福岡県 鹿児島県 沖縄県)
試験方法・受検科目・試験時間
 マークシート方式による多肢選択試験
 医学・医療系(50問、60分) 情報処理技術系(50問、60分) 医療情報システム系(60問、90分)
試験内容
 試験問題は、医療情報技師の到達目標を修得していただくための教科書として発行している「医療情報 医学・医療編」、「医療情報 情報処理技術編」、「医療情報 医療情報システム編」の内容から主に出題します。 ただし、医療制度の改正や情報技術の発展の動向など、医療情報技師として知っておくべき事柄については、教科書に記載がなくても出題することがあります。
科目合格制度
 医療情報技師の資格は、3科目の合格により認定されます。科目ごとに判定された合格は、2年間有効とする科目合格制度を設けています。


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