医療情報技師育成についてご挨拶

2016年7月
一般社団法人 日本医療情報学会
医療情報技師育成部会
部会長  岡田 美保子

 医療機関の業務、特に医事会計業務を支えるところから始まった医療情報システムは、どんどん発展を遂げてきました。電子カルテシステムの導入が我が国で始まった2000年当初、医療情報システムが高度化するにつれ、実は病院ではシステムを入れただけではインディケータ一つ出せず、医療情報を上手く活用できないことが明らかになりました。

これを支える専門的人材の必要性から生まれたのが医療情報技師です。日本医療情報学会の医療情報技師育成事業は、医療の情報化のためには「医療の本質を理解した」「使命感をもった」医療情報技術者が医療側、企業側の両方に必要であるという考えに基づいて始まったものです。医療情報システムには、情報技術、情報システム的側面のみならず、医療固有の情報の特性、医療提供の全体的枠組み、医療のプロセス、さらに人的・組織的側面を理解し、システム全体を見通して把握することが必要となります。

そのため、単に能力検定試験を実施するだけでなく、教材開発、研修機会の提供と、人材育成に取り組んできています。 高齢化が急速に進む我が国では、さらに健康問題がクローズアップされ、人々の健康意識が高まっています。医療情報システムの進化の過程には、いつの時代にも「いまこそ」の思いがありましたが、それでもなお、次世代電子カルテシステムや患者をユーザとするEHR・PHRが論じられ、医療福祉介護を支える情報化基盤づくりが進められ、大規模健康・診療データベース構築による疾患の原因の解明、ゲノム情報を含む巨大データの処理と、「いまこそ」医療情報化の大きなエポックであるように感じられてなりません。

こうした時代に、倫理観をもち、社会的サービス志向を有し、正しい方向に医療情報化をリードする人材が、どれほど重要であるか論を待ちません。医療情報技師は、我が国が誇る財産です。



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